猫の名の「最中」と「餡子」漱石忌

三匹で来たのだが、一匹は何回か来ただけで来なくなった。残る二匹の内の一匹はシャムネコもどきで、ちょうどお菓子の最中のような色だから「モナカ」、もう一匹は最後に来て尻尾に少しシャムの色が出ているが、他は何種類かを混ぜたような変な猫。最中の次だから餡子でいいかと「アンコ」と名付けた。アンコは最初から病弱そうな猫で、一年生きられるかどうかと思っていたが、見立て通り今年の正月に亡くなった。モナカは今年の七月まで来ていたがプイと来なくなった。死んだのかなと思っていたら、先日近所の猫好きの方の庭に座っているのを見つけた、、、。(2023年冬詠)

ややありて次の銃声冬の山

遠くの山から爆発音。えっ?今のは銃声?と思っている間に次の一発が。明らかに銃声です。今は猟期、以前は近くの河原でも鴨猟をする猟師や猟犬を目にしましたが、今はそれは無くなりました。散歩する道すがらですからね、ありがたい事だと思っています、、、。(2023年冬詠)

木枯や売物件の幟旗

何となく久しぶりに以前住んでいた家の近くを通ったら、その前の大きな家が売物件になっていた。ご主人はずいぶん前に亡くなられて長い間奥様一人だったが、その奥様も数年前に亡くなられた。女の子が二人いたが、どちらも結婚して離れた場所に住んでいるらしかった。残った家をどうされるのだろうと、気にはなっていたのだが。何でもない今時珍しくない話だが、少なからずお世話になった方の家だけに、木枯にゆれる幟旗を見ると寂しい、、、。(2023年冬詠)

気嵐の川遡る寒さかな

霧の朝の川面にその霧よりも濃い霧が湧き上がっては上流へ流れて行く。見ているだけで寒さが募ります。長い間この現象を何と言うのだろうと疑問に思っていました。どうやらこれが近いかな、と見つけたのが「気嵐」、合っているかどうかは分かりませんが、、、。(2023年冬詠)