煮詰まりし如くに水面旱川

掲句は昨年、今年は先日の西日本豪雨の影響で川の水量は豊かです。もっともあれっきり雨が降らない地上のほうはカラカラ、木も草も青息吐息の状態です。一雨欲しいです、被害の無い程度の雨が、、、。(2017年夏詠)

煉瓦道ゆがんで見ゆる暑さかな

連日の暑さ、困ったものです、、、。掲句は昨年の暑い日、目の前に続く並木の煉瓦道がなんだかゆがんで見える。とうとう暑さで平衡感覚がやられたかと思いながら、通ると本当にゆがんだ道だった時の句。ボーッとしていると躓いて転びそう、、、。(2017年夏詠)

職退きて五年すつかり昼寝ぐせ

昔の田舎の夏には昼寝が付き物だった。大人も子供も老いも若きも、戸と言う戸を開け放った家にそれぞれの定位置があり、昼寝をする。子供は眠る度に成長するし、大人は夕方からの次の農作業にむけて活力を養う。来る日も来る日も、、、。(2017年夏詠)

藻の咲いて映りし空の花となる

今日は大暑です、、、。梅雨が明けて次第に川の水量が減って来ると、川底に藻が茂り白い花が咲きます。暑い中の一服の清涼剤のようなものですが、今年は先般の豪雨で川底まで洗われましたのではたして見られるかどうか、、、。(2017年夏詠)

老犬の眠りて耐ふる夏の昼

先日暑いけどもう少しと思いながら剪定をしたら、後から頭痛がして、泳ぎに行っても足に力が出ないのです。どうやら熱中症の初期症状のようでした。幸い次の日には何とか治りましたが、我も老犬、無理を出来る歳ではないと言うことでしょう、、、。(2017年夏詠)

七回忌母呼ぶごとく河鹿笛

実家の墓地の近くを流れる小川、墓参りを済ませて帰ろうとしていた耳に聞こえて来たのは河鹿蛙の声でした。昔は夏の夕方になればいくらでも聞こえた声ですが、最近は聞いたことが無く、すっかり絶滅したのかと思っていました。母からのプレゼントだったのでしょう、命日は九月なのですが都合で早めに七回忌をして良かったと思った瞬間でした、、、。(2017年夏詠)