実家に帰って普段閉めっぱなしの二階の小窓の外に燕の巣を見つけたのは一昨年の夏のこと。おっと危ない!邪魔をしないようにと下に降りて外から眺めると、親鳥の出入りしている姿がありました。それから一年、戻って来ていることを楽しみに帰りましたが、残念ながら燕の姿はありませんでした、、、。周囲を見回すと過疎化で水の入った田圃は年々少なくなっています。夜に聞こえる蛙の声も少なくなっています。先日蛙の合唱について書きましたが、人間との共生で出来上がった自然の営みは人間が減ると崩れていくものなのでしょうね。私もその要因を作っている一人なのですが、、、。(2024年夏詠)
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水入りてより田蛙の夜となりぬ
毎年不思議に思う事です。田に水が入るとその日の夜から賑やかな蛙の合唱が始まります。稲作に合わせて蛙の生態系が出来ていると言う事なのでしょうか。歳時記では田蛙は春に分類されていますが、このあたりではちょうど今頃、すなわち夏の風物と言えます、、、。(2024年夏詠)
野も山も川も緑に暮の春
野も山も、それを映す川も緑色。暦の上では春も今日まで、、、。(2024年春詠)
春寒の憲法記念日空真青
昨年の憲法記念日、、、。(2024年春詠)
物憂げに少女が一人暮の春
散歩途中で見かけた物憂げに河原を歩く少女。たぶん近所の少女と思うが、そうだとすると知らない間にずいぶん成長したものだ。水色のランドセルで、「おはよう」と声をかけると蚊の鳴くような声でうつむいたまま「おはよう」と返してくれたのは一年生の時。愛犬もみじに「触ってもいい?」と聞いてきたのはいつだったか、、、。(2024年春詠)
戦争の有りて八十八夜寒
五月一日、八十八夜です。早いものですね、、、。(2024年春詠)
鉢出して晩春の雨たつぷりと
普段は軒下に置いている植木鉢を雨の中へ。普段も水やりはしているけれど、自然の雨のようにはいかない。たっぷり降って、たっぷり吸って、たっぷり育てよ、、、。(2024年春詠)
遠ざかる僕らの記憶昭和の日
記憶はどんどん抜け落ちて行くものだけれど、どれが抜け落ちたのかわからない。それがせめてもの救いなのだろう、、、。(2024年春詠)
蔦若葉覆ふ旧家の塀長し
車でよく通るところに旧家が何軒もならんだ場所がある。いずれも立派な門構え。その中の一軒、角地になっていて奥のほうまで長い塀が続いている。その塀を覆う蔦若葉の緑、、、。(2024年春詠)
春の夜のピンピンコロリてふ話
誰が言い出したのか、ひとしきり話題になって消えて行く、いつもの話。皆さんお互いに相応の年齢なので面白くもないか、、、。(2024年春詠)