春田一枚挟んで会釈知らぬ人

田んぼ一枚挟んだ道をやって来る人、こちらを見ながら会釈をしてくれた。「おや?だれだっけ?」と思いながら会釈を返す。思い出せない。間に田んぼがあるのを良い事に、そのまま通り過ぎた、、、。(2024年春詠)

芽起こしの雨の上がれば鳥の声

鳥の声が聞こえだしたと思ったら雨が上がっている。雨上がりを待っていたのだろう鳥たちの声が楽しそうに聞こえる。鳥たちが鳴いている樹々もそろそろ芽吹きの季節、気のせいか梢のあたりに緑が、、、。(2024年春詠)

休日の校舎のチャイムのどけしや

春の散歩は日差のある時に限ると思いながら歩いていると遠くからチャイムの音が聞こえて来た。ちょうど小学校のある方角かな。休日だからと言う事はないだろうが、なんだかのどかな響き、、、。(2024年春詠)

春炬燵そろそろ重き膝の猫

お互いにそろそろと思っているからだろう、暖かくなると猫もだんだんと膝に来なくなる。それに掲句の昨年はまだ子猫、一年たった今年は猫も一人前、炬燵にもサッサと自分で入れるようになった、、、。(2024年春詠)

流れゆくものに芥と春の鴨

朝の散歩で川を流れて行くごみを見るのは気分が良くない。色の鮮やかさからたぶんすぐ上手にある橋の上から捨てられた物だろう。車の中からポイと。以前より減ったとは言え相変わらず無くならない。数メートル離れて川を下って行く鴨と同じ速さで流れて行く、、、。(2024年春詠)