日差まで吹き飛ばされて春寒し

北国の寒波は史上最強クラスとか。それに比べるとありがたい、と去年の寒さを思い出してみる。さて寒かったという記憶はあるものの、ではどれくらいと言われるとどうだったか思い出せない。そんな中で残した掲句。まあ思考は働いているのだから、寒いとは言いながらもたかが知れていたのでしょうね、、、。(2018年春詠)

春埃見ゆるも日差ありがたし

プールへ出かける前に我が家の二階で少しだけストレッチをします。午後二時前、天気が良ければちょうど日差が部屋の中へ入って来る時刻です。日差が無ければまだ寒く、ゆっくりも出来ないのですが、この時季日差があれば心地よい適度な暖かさになります。日差の中に埃が見えようが何のその、途中で眠ってしまいそうになってしまいます、、、。(2018年春詠)

甕一つ壊して去りぬ春寒波

そうだ、思い出した!去年厳しい寒波が来たのは春になってからだった。雨樋の水を受けていた備前の甕が凍って、見事なひびが入ってしまった。気づけば氷が解けるとともに甕の水が無くなっていた。たいして価値のある甕ではないが、雨水を受けられないのは困る。ひびにボンドを塗り込んで、太い針金で上部を縛って補修した。まだ多少の水漏れはあるが、使える程度にはなって一安心。反省、自然を甘く見る事なかれ、、、。(2018年春詠)

点滴の雫のごとき雪解かな

一通り雪かきをしたらもうする事は無い。暖房の部屋から窓の外を眺めている。雪晴れの真青な空が見える。日差に融け始めた雪が、詰まっているのか古びた雨どいの途中から雫となって落ちている。今はちょうど点滴程度の速度、、、。(2016年冬詠)

田の蝌蚪の覗けば右往左往かな

田植から一か月あまりの田圃、オタマジャクシがたくさん発生しています。いきなり覗いて逃げ惑う姿を楽しんでいます。春の季語の蝌蚪ですが、どちらかと言えばこの時期の田圃の蝌蚪のほうが見慣れています、、、。(2017年夏詠)