格子より指出て春の埃ふく

倉敷市本町にて。鑑賞中の格子の間からいきなり指が出て来たので、正直おどろきましたが、格子の掃除って大変そうですね。景観を守るのも人の力があってこそです。倉敷格子、正式には親付切子格子と言うそうです、、、。(2017年春詠)

水音のくるりくるりと春の川

川底のちょっとした凸凹と水量が音に変わるのですから不思議なものですね。春になって水量の増えた小川の軽やかな音、くるりくるりとまるで小さな水車を回しているような音がするのです、、、。(2017年春詠)

春光や鏡の中の裏窓に

洗面所の鏡に映る位置に裏窓がある。その窓の向うに土手があり、洗面所に向かうタイミングによってはその土手に朝日が当たる。その光が反射して、これまたタイミングによっては裏窓が輝いて見える。特別春に限ったことではないのだが、春には何だか光がうれしい、、、。(2017年春詠)

春炬燵何するでなく時流れ

いよいよ平昌オリンピック、細かいことは言わずに炬燵の中で何するでない時を過ごそう。見ているつもりがいつの間にか眠ってしまい、終わったあたりで目が覚めるのだろう。こんなことで良いのかご同輩、、、。(2017年春詠)

春泥をちらし轍の新しく

土手から河川敷への降り口、舗装が終わったところから春泥の道となる。何台も通るものだから次第に掘れて、水たまりが出来ている。そうすると今度はその水たまりを避けるようにして轍が出来る。この繰り返し、、、。(2017年春詠)

奔放に育ち空家の梅真白

「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」なんて言いますが、まさにそうだと思ったのがこの梅でした。空家になって何年になるのでしょう、伸び放題に伸びて自由に花をつけた梅のなんときれいなこと!掲句は昨年、県北で梅が咲くのはもう少し先になります、、、。(2017年春詠)