畳屋の青き匂やせんぷう機

掲句はふと覗いた倉敷の街中の畳屋さんですが、この近くにも畳屋さんの工場があります。同じように表は満開で、大きな扇風機が回って、畳の匂いがしてきます。おまけに大きな音でラジオが鳴っています。懐かしい町工場の風景、周囲は田圃です、、、。(2016年夏詠)

石投げて眠る鯰を起こしけり

まだ在職中だった頃の句です。会社の脇を流れる農業用の水路は夏になると水量が増え、鯉や鯰が上って来ました。それも大物がいるので、時々抜け出しては観察に行きました。掲句の鯰も大物、水底でまったく動かないので、石を投げたら大慌てで、、、。(2010年夏詠)

蜘蛛の囲を払ふ手刀二度三度

くっつく前なら避けもできるが、くっついたら払うよりしょうがない。て言うんで、相撲の手刀よろしく二度三度と払う、それでもダメならさらに二度三度。たいした害ではないけれど、蜘蛛の糸が眼鏡の表面にくっつくと以外と面倒、、、。もうすぐ名古屋場所が始まります、、、。(2016年夏詠)

植ゑられぬままの一枚田水沸く

梅雨が明けると田圃の水は熱せられて、まさに沸いたように熱くなります。掲句の田圃、代掻きまで終わった状態で、なぜかいつまで経っても植えられることが無く、とうとう一年が過ぎました。今年は植えられています。去年は苗が足りなかったのかな、、、?(2016年夏詠)