間延びして鳥の声する朝曇

今日は大暑、、、。子供の頃に朝目覚めると、遠くの山から何んとも不気味な、悲し気な声が聞こえることがありました。何だろうと思いながらもいつもうやむやで、次に聞くまで忘れているのでした。成長して横溝正史を読むようになると、その中に「鵺(ぬえ)」が出てきました。その記述が子供の頃に聞いた声とあまりにも一致するので、たぶんあれがヌエではなかろうかと思うようになり、その声を思い出しながら小説を読みました。やがてインターネットが始まると、その中は知識の宝庫でした。ヌエの正体はトラツグミという鳥と書いてある。姿も見えるし、声も聞こえる。恐る恐る聴いたその声は見事に一致しました。なんだ、あの不気味な声の正体はこんな鳥だったのかと、、、。掲句の鳥はヌエではありません、、、。(2016年夏詠)

色褪せしラグビーゴール晩夏光

昨年、ふと思い立って母校のグラウンドに行ってみました。夏草の伸びたフェンス越しに見る夏季休業中のグラウンドには人の姿はありません。色褪せたラグビーのゴールポストが晩夏光の中に微妙な存在感で突っ立っています。蝉の声、、、。(2016年夏詠)

炎昼やペットボトルが命綱

熱中症にご注意、水分補給は怠りなく、、、。と書きながら、どちらかと言えば昔人間で水分補給が苦手です。我慢して我慢して、さらに我慢して、終わったら一気に水分補給と言う学生時代でしたから、、、。(2016年夏詠)

引越の荷の重さうに蟻の列

暑い中を蟻の引越が続いています。なんだかしょっちゅう引越しているような気がします。雨続きの間に巣に不備が見つかったのでしょうか。それにしても、蟻って引越し先をどうやって見つけるのでしょうね、、、。(2016年夏詠)