田舎に帰れば光が少ないから銀河が見えるだろうと、帰る度に夜空を見上げるが、なかなか適した天候に巡り合わない。そこで思いついたのがこれ、確かこの辺と夜空を仰いで眼を瞑ると、、、。(2023年秋詠)
月: 2024年10月
電球色のLEDやそぞろ寒
蛍光灯には水銀が使われているからと言う理由で数年後には無くなるらしい。フィラメントの裸電球はコストパフォーマンスが悪い。LEDにすれば安くて明るいのだが、あの煌めき感がもう一つ好きになれない。読書にはやはり裸電球が一番のような気がする、、、。(2023年秋詠)
灯火親し未だ読めざる父の文字
晩年は書に親しんだ父、額装した書がいくつか座敷の高いところに飾ってある。いつも分かったような顔をして眺めているが、いまだに読めない、、、。(2023年秋詠)
人の住む証杣家の吊し柿
先日も限界集落の柿の句を書きましたが今度はまだ干したばかりと見える鮮やかな色の吊し柿。明らかに人の住んでいる家、、、。(2023年秋詠)
朝寒の空に刃の月と星
昼間は半袖、なんて日もまだありますが、さすがに朝は寒くなりましたね。早朝に外に出てみると明けの空に細い月と星が寒そうに、、、。(2023年秋詠)
蟋蟀の鳴きつくしたる一個体
庭の隅に見つけた蟋蟀、すでに骸、、、。(2023年秋詠)
飛石にまだらの模様秋時雨
外に出てみると飛び石が半分ほど黒く濡れている。「ああ、もう時雨の季節か」と数日前に思いました。掲句は昨年の同じような景、、、。(2023年秋詠)
田仕舞の煙遠近暮の秋
急激な気温の変化、いきなり冬が近くなって来ましたね、、、。(2023年秋詠)
腰屈めくぐる枝先鵙の贄
久しぶりに河原に下りてみた。自然に生えた木が大きく育ち、その低い枝が行く手を遮る。手を伸ばして枝を持ち上げ、潜ろうとしたその眼の先に、生々しい鵙の贄、、、。(2023年秋詠)
日差濃き限界集落柿数多
とある山間の集落にて。私のふるさとも同じです。人影なし、柿の木多数、、、。(2023年秋詠)