鳥葬の亀のぬけがら晩夏光

産卵の為に亀が川土手を上り道路に出て来る。運が良ければ道路を渡り切れるが元々動きが遅い亀、車の犠牲になるものも多い。食物連鎖でその轢死の亀を烏がつつく。最終的に残るのは亀の抜け殻、すなわち割れた甲羅だけ、、、。(2020年夏詠)

晩夏光遠き堰の瀬光らする

土手を歩いて行くと遠くに大きな堰が見えるところに出る。以前は犬と一緒に堰のすぐ側まで足を延ばしていたが、今はここを散歩の終点と決めている。掲句は昨年、と言うことはすでに脚力の落ちた犬を励ましながらここまで来て句にしたのだろうと思う、、、。(2019年夏詠)

色褪せしラグビーゴール晩夏光

昨年、ふと思い立って母校のグラウンドに行ってみました。夏草の伸びたフェンス越しに見る夏季休業中のグラウンドには人の姿はありません。色褪せたラグビーのゴールポストが晩夏光の中に微妙な存在感で突っ立っています。蝉の声、、、。(2016年夏詠)