実家での句です。山の間の狭い所ですから上空を飛ぶ飛行機の音も響いて大きく聞こえます。それが過ぎるとまた鳥の声が賑やかに響いてきます。全く動じないのが周囲の山々、あと一か月ほど、春までもうひと眠りです、、、。(2016年冬詠)
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山眠る日差有らうと無からうと
泰然自若、、、。(2016年冬詠)
独言ゆふても一人山眠る
「室戸」その4 室戸岬の灯台の近くにある最御崎寺までは車でも登れますが、海岸を歩いているうちに遍路道を見つけ、ほんの出来心で、歩いて登ってみました。二十分ぐらいかかったでしょうか、正直なところ運動不足の身体にはきつくて、途中で何度も後悔しましたが、そのぶん最御崎寺の山門にたどり着いた時の喜びは大きいものでした。遍路道と言ってもごく普通の山道で、違うところは道端の木にお遍路さんの残した道しるべがたくさん下がっていたことです。じっくりと見たわけではありませんが、古くからの物が大切に残されているようでした。ごみは落ちていませんでした。まさに信仰の道です。遍路道を歩いたのはここだけですが、いつか歩き遍路をしてみたいと思うようになってしまいました、、、。(2011年冬詠)
ぽつてりと讃岐平野の山眠る
山の形は場所によってずいぶん違います。同じ岡山県内でも、私が育った備中地方の山と、現在住んでいる作州の山とは違っています。掲句は四国赴任中の休み明け、瀬戸大橋を渡り徳島へ向けて讃岐平野を走っていた車中から見た山の印象です。ぽってりと丸っこい、テレビで見る讃岐の名物の何かのCMのアニメの山そのものでした、、、。子どもの頃には見慣れた形で山の絵をずいぶん描きましたが、讃岐で育った子はきっとこのように丸っこい形の山を描くのだろう、と、走りながらふとそんなことを思いました、、、。(2011年冬詠)
川音の子守唄ほど山眠る
これは実家での句。我家から数十メートルも行けば山の中になります。その山から流れ出た小さな谷川は、我家の前を通り小川へと続きます。鉄分の多いきれいな水で、かつては我家はもちろん、近所の大切な生活用水でした。小さな谷川ですから冬には水量が減ってしまいます。水音も小さく、やさしくなってしまいます、、、。(2009年冬詠)
ぽつかりとトンネルの口山眠る
-しばらく阿南を離れます-ポカンと口を開けて眠るか、ギリギリと歯軋りをしながら眠るか、どちらでしょうか。私の場合は口を開けて眠っているような気がします。どちらにしてもあまり見られたくない顔ではあります、、、。掲句は中国道で大阪へ通っていた頃の句。岡山と兵庫の県境あたりにいくつかのトンネルがある。山にしてみれば好きで開けられたトンネルではなし、喉の奥のほうがむずむずして、たまったものではないだろうが、、、。(2000年冬詠)