風光る同じ形の屋根三つ

風光るはいかにも春らしくて好きな季語です。こんな日は歩いていてもついつい遠くを眺めてしまいます。広い田圃の向うに同じ形の屋根が三つ、私が住み始めたのと同じぐらいに出来た宅地の三軒です。どの家も同じように古くはなりましたが、同じように恙ない暮らしぶりが見える三軒の家です、、、。(2020年春詠)

梅の木の我より老いて花少し

実家の梅、父が子供の頃にあったと聞いた木だからかれこれ百年ほどになるのでしょう。さすがに数は少ないですが毎年花をつけてくれます。私の幼少の頃を知っている木だと思うからでしょうか、眺めているとなんだか語り掛けられているような気がしてくるから不思議です、、、。(2020年春詠)

野に一つ灯す明かりや黄水仙

洪水対策の工事で冬の間にきれいにされた河原に一つだけ咲く黄水仙がありました。周囲は背の低い雑草の枯草ばかり。まるでその中に明かりを一つ灯しているようでした。それが去年、一年後に期待していたのですが、一年経つと周囲の雑草のほうが大きくなって、、、。(2020年春詠)