ふり返り見るは幾年朝桜

この齢になるとどうしても先を見るより過去を振り返る事が多くなるような気がします。よちよち歩きの子を連れて歩き初め、子が犬に変わり、今では一人で歩き、毎年毎朝立ち止まって同じ木の花を眺めます。私の背丈ほどだった桜の若木もいまでは大きな古木、お互いに年を取ったねとつい話しかけてしまいます、、、。(2022年春詠)

振り向けば一目千両朝桜

少し離れてからもう一度と思って振り向くと、今通って来た桜並木が真青な空の下で朝日を浴びて輝いていた。同じ場所を同じように毎日眺めるのだが、その姿はその度に変わり、絶えず新しい景色を見せてくれる。たぶん見ようとする者だけに見える感動、、、。(2018年春詠)

今日の日の晴るる予感の朝桜

岡山へ句会に行く日の朝の句です。雨が平気な方もいらっしゃいますが、どちらかと言うと晴れたほうが(それも適度に)私は好きです。とりあえず朝の散歩で遠くから見た桜の姿で天気予報をしてみましたが、この日は大当たりでした。ただし、適度は越えて、初夏のような晴天、、、。(2014年春詠)

遠景に一両電車朝桜

吉井川の土手が散歩コースです。その散歩コースから田圃、さらに家並を越えて、姫新線の線路があります。家並が途切れた数十メートルの区間だけで走る列車が見えます。一両の時はコトコトコトコトといった感じで過ぎて行きます。見て楽しいのは長い列車、特別仕立てのきれいな長い列車が、これでもか、これでもかといった感じで過ぎていくのは見ごたえがあります。最近は美作建国1300年とかで、時々ナルト列車なるものも走っています、、、。(2010年春詠)