我が家より田圃のほうが昔からあったのだから何も文句はありません。ただひたすら風向きが変わってくれるのを願うのみです、、、。(2021年秋詠)
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遠近に上がる稲滓火夕近し
昔ながらのこの時期の風物、特に雨が近い日の夕方に多い、、、。(2019年秋詠)
稲滓火の四方より攻め出会ひけり
都会では絶対に苦情が出るだろうと思う晩秋の風景。見ていて楽しいが煙が自分のほうに来ると煙い。四方の畔沿いに点けられた火が、ちょうど田圃の中央辺りで出会って、炎が急に大きくなる、、、。(2018年秋詠)
稲滓火の煙の中の日暮かな
せっかく乾いたところに雨が降っては敵わないと雨の前の夕方にはあちこちで稲滓火の煙が上がる。村中が煙に覆われるが、田舎だから文句を言う人はいない。こんな日はサッサと洗濯物を取り込んで煙に備える、、、。(2018年秋詠)
稲滓火の一村覆ふ煙かな
稲刈が始まりました。稲藁も今は使われる事が少なく、コンバインで刈ったその場で裁断されてしまいます。夕方になればそれが焼かれます。もうもうと広い田から青煙が上がり、風にかき回されて一帯が煙の中に隠れてしまいます。迷惑と思うか、新藁を焼く匂を懐かしく思うか、紙一重かも知れません、、、。(2017年秋詠)
稲滓火の一村煙に巻きにけり
この句もまた、昔と違いと書くことになるのですが、今は収穫と同時に藁は裁断され、そのままにされるか、あるいは掲句のように燃やされます。大がかりに燃やされると掲句のように、、、。(2016年秋詠)