氏神へ続く裏木戸やぶ椿

氏神様の東側に高い板塀があって、木戸が設けてある。その向こうに大きなお屋敷が見える。いつも大きなお屋敷だなあと思いながら、木戸を開けるのは憚られるので、塀の上の屋根を眺めていた。ある日ちょっと散歩の足を延ばして、そのお屋敷の向こう側を通ってみた。門側から見ると、開放的な庭の続きにその木戸があり、その向こうに、当たり前だが、今度は氏神様の屋根が見えていた、、、。(2016年春詠)

藪椿闇にゆるるは目の如し

近くに昼間でも薄暗い神社があります。神社と言えば椿がつき物ですが、その神社にも周囲の藪に何本もの椿があります。手入がされていない藪の中ですから花数も少なく大きさも小さい。真ん中の黄色だけが薄暗い中で目立つのです。それが風に揺れる様はちょっと不気味です、、、。(2015年春詠)