秋の山の次は秋の川での一句。秋の川の水面は静かで物がよく映る。水面近くを飛ぶ白鷺、水面に映るその影がまるで対称、、、。(2023年秋詠)
汽笛長し谺の巡る秋の山
何の拍子か遠くで鳴る長く尾を引く列車の汽笛。鳴っている途中でもう谺になって、あちこちの山を巡っている。音が重なる、、、。(2023年秋詠)
天高し猫が番する勝手口
昨年の今頃の句だから、この猫はシャムネコもどきの野良。役に立っているとは言い難いが、居れば楽しい。弱いのに喧嘩っ早いのだろう、いつも大けがをしてはやって来る。だいぶ良くなったと思う頃にはまた来なくなる。今二か月ばかり来ていない、、、。(2023年秋詠)
UFOのあるやも知れず星月夜
夜空を見上げていると、ふとこんな事を思ったりします。夢見る老人、、、。(2023年秋詠)
山畑の一日飽きぬ秋日和
まんざら悪くないなと思う実家での一日、心地よい日差の中で畑で過ごす。何かを植えているという事も無く、せっせと草取りをして、土と戯れるだけなのですが、、、。(2023年秋詠)
首なしの地蔵の五尊曼殊沙華
国道沿いの狭い所に小さなお堂があり、そこに頭の無いお地蔵さんが五体祀られています。じっくりと見に行くには危ないような道沿いで、いつも車でちらりと見て通るだけです、、、。(2023年秋詠)
雨一夜朝の道辺に彼岸花
彼岸花が咲き始めました。掲句は昨年、そろそろと思っていた雨後の朝、道辺に見つけた彼岸花、律儀に咲きますね、、、。(2023年秋詠)
名月や杜の方より腹鼓
中秋の名月です。近所の神社の杜には狸が住んでいます。月夜の晩にその方角から聞こえて来る物音、あれが狸の腹鼓なら楽しいな、、、。(2023年秋詠)
軒下の国旗寿ぐ敬老日
昨年の敬老日、たまたま出かけて走っていた山中の小さな村で、軒下に出された国旗を見つけました。昔は普通に見かけたものですが、ずいぶんと久しぶりの光景でした。それも敬老の日、きっと村を上げての行事なんかもありそうな、そんな雰囲気の村でした、、、。(2023年秋詠)
老ひし眼の雲も銀河も一緒くた
如何ともし難い老化現象、昔はこうでは無かったと、、、。(2023年秋詠)