うどん屋はこれぐらいの方が庶民的でいいのかも知れない。暖簾は洗いざらしのヨレヨレ、味は一品、老舗のうどん屋、、、。(2017年秋詠)
漣の立てば流れて萩の屑
倉敷美観地区の萩、、、。(2017年秋詠)
亀の眼のいつも眠さう秋日和
アイビースクエアの一角にある池、亀がたくさん日を浴びている。押し合いへし合いしながら石の上に登ろうとしている。それを見ているだけで面白い。空気に触れて目が乾くからかなあ、目がいつも半眼になっているように見える、、、。(2017年秋詠)
稲滓火の一村覆ふ煙かな
稲刈が始まりました。稲藁も今は使われる事が少なく、コンバインで刈ったその場で裁断されてしまいます。夕方になればそれが焼かれます。もうもうと広い田から青煙が上がり、風にかき回されて一帯が煙の中に隠れてしまいます。迷惑と思うか、新藁を焼く匂を懐かしく思うか、紙一重かも知れません、、、。(2017年秋詠)
郵便の一声かけて鵙日和
去年は八月からモズの声が聞こえていたのに、今年はどうしたのだろう?と心配していたのですが、やっと聞こえてきました。鋭く鳴くのはもう少し先かな、、、?(2017年秋詠)
するすると伸びて走の彼岸花
見ている間に伸びることなどありませんが、何となくそんな気がする咲き始めの彼岸花。今年も彼岸花の季節になりました、、、。(2017年秋詠)
水澄んで鷺は己と対峙する
本当は水の中の獲物を見ているのでしょうが、ついこんな風に考えてみました、、、。(2017年秋詠)
健診のいつもどこかが豊の秋
今年も年一回の健診に行ってきました。速報値の範囲では「多少高めの所もありますが、まあこれなら問題無いでしょう」との返事、また一年健康に気を付けます、、、。(2017年秋詠)
見つかりて呼び止められて秋暑し
今日は出会いたくなかったなあと思う人に見つかって、当然のように呼び止められて、しかたなく長話に相槌を打って、、、。(2017年秋詠)
老人に添ひて白犬秋深し
角を曲がったところでいきなり自転車の女性に連れられた白犬と出会った。あやうくぶつかるところだった。「ごめんなさい」と言いながらよく見ると、何だか見たことがあるような犬。いつも老人と一緒だった白犬に似ている。「もしかして、以前おじいさんと散歩していた犬ですか?」「ええ、今年の1月ぐらいまではそうだったのですが、身体を壊して、、、。今は入院しているんです。それで私が・・・。」「そうですか、よく見かけていたのに、どうされたのかと思っていました。」心なしか白犬も以前より細くなって見えた、、、。(2017年秋詠)