枯木立ベンチに犬と老人と

阿南公園はホテルから100メートルほど離れたところにあった。大きな山の中腹ぐらいまでが公園になっており、冬のせいか早朝には出会う人もほとんどない寂しい公園だった。それが気に入り、ここを知ってからはもっぱらここを散歩コースとした。数少ない出会う人の中に掲句の老人と犬があった。最初はすれ違う時に挨拶する程度だったが、ある朝少し登ったところにある神社の前のベンチに老人と犬が座っていたので声を掛けてみた。珍しい犬だと思っていたら四国犬とのことだった。四国犬に関する知識は全くなかったのでただただ聴くだけだったが、犬は自分の話と知っているのか、おとなしく老人に寄り添っていた。久しぶりに仕事を離れた会話をしたような気がして楽しかった、、、。(2011年冬詠)