掲句は昨年の居候猫、今年の猫は数日おきに戻ってきて、挨拶をして少しだけ餌を食べてはまた出かけます。どこまで遠征しているものやら、、、。(2018年春詠)
日のあらば春と思へり日のあらば
春とは名ばかり、、、。(2018年春詠)
春の鴨二羽でひとつの水脈曳いて
一転してこんな句を。同じ川で同じ鴨なのですが春になれば春の姿が、、、。(2018年春詠)
甕一つ壊して去りぬ春寒波
そうだ、思い出した!去年厳しい寒波が来たのは春になってからだった。雨樋の水を受けていた備前の甕が凍って、見事なひびが入ってしまった。気づけば氷が解けるとともに甕の水が無くなっていた。たいして価値のある甕ではないが、雨水を受けられないのは困る。ひびにボンドを塗り込んで、太い針金で上部を縛って補修した。まだ多少の水漏れはあるが、使える程度にはなって一安心。反省、自然を甘く見る事なかれ、、、。(2018年春詠)
霜ありて風ありて春立ちにけり
春とは名ばかり、、、。(2018年春詠)
日脚伸ぶ日のある中を五時の鐘
節分、だいぶ日が長くなりましたね。ありがたいです、、、。(2017年冬詠)
逆立ちの鯉の屍寒の川
水量の減った川の底に何やら見慣れないものが見える。近寄ってみると頭を下にした大きな鯉、一向に動く気配はない。よく見ると多少色も変わりかけているようで、死んで数日と言ったところだろうか。寒さに耐えられなかった老鯉か。それにしてもどうして逆立ちなんだろう?と想像を膨らませた寒かった昨年の句、、、。(2017年冬詠)
人在らず鴉の歩く冬田かな
いよいよ二月、春までもう一息です、、、。(2017年冬詠)
少年の狩猟本能寒雀
子供の頃は何とかして捕まえてやろうと工夫したものです。今は何とかして友達になりたいなあと思うのですが、、、。(2017年冬詠)
寒林の波音近き室戸岬
もう七年が経ってしまった。二か月を四国徳島で過ごした退職前、一日休みを取って室戸岬まで足を延ばした。海岸から最御崎寺まで遍路道を登ってみた。車にすれば良かったと何度も後悔したが、時折眼下に見える太平洋の白波と波音に励まされるようにして登った。毎年この時期になればこの四国での二か月を思い出すが、その記憶は年々薄くなって行くような気がする。良くも悪くも、最後の二か月だった、、、。(2017年冬詠)