秋時雨音なく露台染まりゆく

小高い丘の上にあるレストランの部屋からは、バルコニーと遠く中国山地の山並が眺められた。普段は使われないのであろうバルコニーには、畳まれたパラソルや生ビールの樽が、テーブルと一緒に夏の名残りのように片寄せて置いてあった。句会が終わり、隙間のような時間が過ぎていた。ぼんやりと目をやっていたバルコニーに、急に影が走ったような気がしたと思ったら、テーブルも床も黒く染まって行った。(2010年秋詠)

「秋時雨音なく露台染まりゆく」への2件のフィードバック

  1. 露台とは何とも面白くあてたものですね。
    ベランダはどうあてるのでしょう?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です