白芙蓉ダム湖見下ろす団結碑

苫田ダムが出来たのは今から十年ほど前になりますが、構想が持ち上がったのは昭和32年とあります。私が津山の住人になったのはまだ反対運動が盛んな頃でしたが、やがて建設が決まり、今のダム湖の周囲を走っている道路の工事が始まりました。川沿いの道を走りながら山の中腹で行われているその工事を見たのですが、今はその出来た道を走りながらダム湖の水面を見ています。その道の途中のかつての村を見渡せる場所には、移設された掲句の碑と関連するいくつかの碑、かつての村をカラーの図にした記念碑があります、、、。(2014年秋詠)

黄落や坂に沿ひたる坂の家

掲句は倉敷阿智神社の石段での句。津山の鶴山公園下にも同じようなところがある。坂にある家だから坂に沿うのは当たり前だが、実に上手く造られていると思う。なおかつ立派な家が多い。学生時代に友人が留守番を頼まれているから遊びに来いと言うので出かけて行ったらそんなお屋敷で驚いたことがある。家の前にせり出した石崖があり、後ろに行くほど高い位置に座敷があって、そのさらに後の坂道を上った所に門があった。好きにして良いと言われているからと、ジュースやら何やらを台所から持ち出して、見晴らしの良い座敷でご馳走になった。友人は持ち主の夫婦は海外旅行でしばらく帰らないからと言っていた、、、。(2014年秋詠)

ビーナスに欲しき着るもの秋の雨

西川緑道公園にヴィーナス像があります。右手で腰の前を布で押さえ左手で胸を隠しながら恥ずかしそうに少し前かがみになって横を見ている、良く有る形のヴィーナス像ですが、残念ながらいつ行っても汚れっぱなしで、せっかくの白い肌が台無しになっています。恥ずかしそうなのは汚れているからかも知れないとさえ思えてくるのです。雨に濡れるとその汚れがよけいに黒ずんで見えてしまうのです。何か着る物でもあれば掛けてあげたいところ、、、。(2014年秋詠)

みちのくの湯宿毎日きのこ汁

昔々の事になります。出張で行った福島での宿泊先は飯坂温泉の古びた旅館でした。ちょうど茸の採れるシーズンで、毎夜の食事に茸汁が出るのです。嫌いではないですが「これだけ続くとなあ、、、」と思い始めた頃に「どうしても断れない客があるので一晩だけ他の旅館に移ってほしい」という話があった。喜んで移った旅館の部屋は窓を開けると川が見え、前の温泉街の通りが見えるだけの部屋よりよっぽど良かった。温泉に浸かって汗を流しさて食事、やっぱり出てきたのは茸汁だった、、、。(2014年秋詠)

鯉跳ねて山湖の秋を崩しけり

先日は跳ねない鯉を書きましたが、今度は跳ねた鯉です。正確には鯉と思う、とするべきでしょう。一瞬の音に向けた眼の先に、広がりつつある水輪、揺れる山の影、これは鯉に違いないと思ったのですが、実際の姿は見ていません、、、。鯉釣は今がシーズンのようです。早朝の散歩に出ると、寒い中で石のように動かない釣人を眼にします、このブログに何度も登場していただいた老釣師も、今年は暖かい昼間に、他の人とは外れた場所で連日眼にします、、、。(2014年秋詠)

深秋の湯宿小さき道しるべ

国道429号線沿いの山の中にある小さな小森温泉、通る度に寄ってみたいと思いつつ寄ったことが無い。古びた建物が忘れ物のように建っている。小さな川が流れ、秋には紅葉が美しく、ますます錆びれた湯治場となって行くように見える、、、。(2014年秋詠)

夢にある覚める伏線菊枕

これは夢で、だからこの筋書きで、もうすぐ目が覚めるんだ、と分かっていながら夢を見ている時がある。案の定そう思っている自分に気づいて目が覚めてしまう。まあ、覚めているうちが花と言えなくも無いが、、、。ラグビーワールドカップ、日本は三勝一敗で予選を終えました。残念ながらベスト8入りは無理でしたが、良い夢を見させてもらいました。四年後は日本での開催、今大会が始まるまでは時期尚早と思っていましたが、これなら大丈夫でしょう。楽しみです、、、。(2014年秋詠)