警笛の木霊が二つ秋の声

八月も今日までです。七月の豪雨で不通になっていた我が家の裏を走る鉄道、ダイヤは普通と違うようですが、数日前から走り始めました。使う事は無いですし、走らないほうが静かでいいやと思ったりもしましたが、走れば走ったで良いものです。窓に学生の白いシャツが見えます。明日から新学期です、、、。(2017年秋詠)

秋風や熊のパン屋は楽鳴らし

ひとつ向うの通りを音楽を鳴らしながらやって来る移動販売のクマさんマークのパン屋さん。買ったことは無いのですが、のんびりした音楽が美味しそうで秋風によく合う。時々求人広告に出ているからフランチャイズ式のチェーン店なのでしょう、、、。(2017年秋詠)

纏まれば羽音恐ろし稲雀

稲雀もまとまれば恐ろしいぐらいの数になります。昨年ぐらいから急に数が増えたように感じるのですが、夕方ともなれば近所の神社の竹藪に集結し、賑やかに騒いでいます。本当の理由は分かりませんが、昔ほど農家の方が雀を気にしなくなったのかも知れませんね、、、。(2017年秋詠)

水口の音を転がし落し水

早いですね、先日句会へと429号線を走ると、山間部ではもうすっかり実りの秋でした。稲刈り間近の稲が黄金色に光っていました。落し水はとっくの昔に終わっているのでしょう。落とし水に出会うのは、実際はなかなかないことです、、、。(2017年秋詠)

解体の槌音高く秋天へ

数年前から良い仕事をするなあと注目していた某社、最近ではテレビでもCMを見るようになった。解体という言わば裏方の仕事だが、手際よくきれいな仕事をする。従業員にさぼっている姿が見られない、目が合えば会釈を返してくれる。時代のニーズもあるだろうが、なるほどなあと思っている今日この頃です、、、。(2017年秋詠)

送舟残る渡しの船だまり

掲句は昔日の思い出、今は川に物を流すのは禁じられているはずですが、それでも時々川岸にとどまっている送船を見かける事があります。それも、悪い事に舟も飾りも発砲スチロール、いつまでたっても自然には還らない、、、。(2017年秋詠)