単にそういう種類の南天なのかも知れません。いや、もしかしたら霜焼けの手のように、寒さで葉っぱまで紅くなったのかも知れない、なんて思った寒い夕暮れの中での句です、、、。(2017年冬詠)
カテゴリー: 2017
自転車も人も老いたり着ぶくれて
近所の女性から「自転車の小父さん」と呼ばれるようになって久しい強面の小父さん。自転車の後に雨傘、頭には鳥打帽、黒の革ジャンパー、臙脂色のズボンのが定番のスタイルで、黙々と自転車を漕いで仕事(たぶん)に向かう。帰りには自転車の前かごに数点の買物を入れて、やはり同じように黙々と自転車を漕いで、、、。その小父さんを久しぶりに見かけた時の句。革ジャンがダウンの防寒着に変わり、自転車が漕ぐ度にガシャコン、ガシャコンと音を立てていた。強面に変わりはないが、心なしか年老いて見えた、、、。(2017年冬詠)
一羽二羽一羽三羽とかいつぶり
暖冬のせいでしょうか今年は水鳥の数が少ないような気がします。掲句は昨年、昨年は多かったです。かいつぶりも三羽どころかもっと多かったのですが、何しろ浮いたり潜ったりで、、、。(2017年冬詠)
十二月八日レノン忌開戦日
太平洋戦争の開戦が1941年12月8日、ジョン・レノンが亡くなったのが1980年12月8日です。私が俳句を始めたのが1997年ですが、その頃目にした地域の機関誌に「十二月八日を知らぬ子の多し」という俳句が載っていました。「んっ?12月8日?」と思って歳時記を調べて知ったのが「十二月八日、開戦日」の季語でした。実にその歳になるまで、12月8日を意識した事は無かったのです。平和ボケの戦争を知らぬ子の一人だったのです、、、。レノン忌はまだ歳時記に載っていないようです、、、。(2017年冬詠)
冬菜畑真中へでんとコンポスト
冬菜畑と言っても家庭菜園、白菜と大根が元気に育っている。その真ん中に鮮やかな緑色のコンポストが置かれていた。あの手この手で年を追うごとに上手になられる近所の方の野菜作り、今年の目玉がこのコンポストかも、、、。(2017年冬詠)
マスクして年齢不詳とも言へず
先日書いた帽子もどちらかと言うと苦手な物ですが、それ以上に苦手なのがマスクです。つけ方が下手なのでしょうね、どうやっても眼鏡が曇ってしまうのです。最初は必要に迫られてするマスクですが、そうなると眼鏡とマスクのどちらを選ぶかと言うことになり、結果、眼鏡を選んでしまいます。変装が必要なような事もないですしね、、、。(2017年冬詠)
樹には樹の熱あり冬の来たりけり
落葉の終わった枯木に触ってふとこんな事を思ってしまいました。動物だって植物だって、命の営みがあれば必ず熱が発生するものなのではないか、と、、、。(2017年冬詠)
冬帽の日毎目深になる日々よ
数年前から被りだしたニットの冬帽子、今年も出して来ました。寄る歳波と寒さには勝てぬ、、、。(2017年冬詠)
警備員冬日を背ナに震え立つ
先日も山の中の国道を走りましたが、まだこの夏の豪雨の被害箇所の修復工事が随所で行われていました。最近はちょっとした工事でも誘導の警備員がついていて、走る方としてはありがたいのですが、時には気の毒なような姿も、、、。(2017年冬詠)
天空の城を遠目に冬木立
ふらりと寄った備中松山城、昼間だったので雲海に浮かぶ天空の城とはいかなかったが、、、。(2017年冬詠)