ががんぼを抓んで放つ夜の闇

夜の静けさの中で机に向かっていると羽音がする。見ると大蚊が蛍光灯にぶつかりぶつかりしている。逃がそうとすれば必ず足の一本や二本は取れ翅は痛んでしまうので、果たして助けることになるのかどうか、と思いつつ抓んで窓を開けると、そこには夜の闇があるのだった。(2012年夏詠)