村中を囲むように延々とトタン板の猪垣がめぐらせてある。私が子どもの頃も猪の被害はあったが、今のように猪が民家の傍にまで出てくることはなかった。人が減り、捨て畑や休耕田が増える事で人間のテリトリーが狭まって行き、ついには自ら垣の中で暮すことになってしまった。その一因はお前にもあるのだと、白く光る猪垣は私の行手を阻んでいるように見えた。(2009年秋詠)
渡辺牛二の俳句ワールド
村中を囲むように延々とトタン板の猪垣がめぐらせてある。私が子どもの頃も猪の被害はあったが、今のように猪が民家の傍にまで出てくることはなかった。人が減り、捨て畑や休耕田が増える事で人間のテリトリーが狭まって行き、ついには自ら垣の中で暮すことになってしまった。その一因はお前にもあるのだと、白く光る猪垣は私の行手を阻んでいるように見えた。(2009年秋詠)