一村を覆ひて余るいわし雲

散歩に出て吉井川の土手への坂道を少し登ると、ちょうど空を眺めるのに良い場所へ出る。秋には見える限りの空を覆うような鰯雲に出会うことがある。吉井川を越え、となり村も越え、次第に小さくなって西の彼方へ消えて行く。西の彼方には我が故郷があると思うと、感傷的な気分にもなる。(2008年秋詠)