秋霖や仕舞ひ忘れし庭箒

通り過ぎていく車の音に何となく雨を感じて目が覚めた。起き出すと案の定雨だった。音もない雨が降り続いている。今日が雨なら昨日のうちに、もう少し庭の手入れをしておけばよかったと、天気予報を見逃したことを後悔しながら、新聞を取りに外へ出る。庭に目をやると、昨日仕舞い忘れた箒がぽつんと濡れていた。(2000年秋詠)