茶の花や空家静かに崩れゆき

かつては手入れの行き届いた生垣だったのだろう。その生垣の中に数本の茶の木が混じっている。普段は奔放に伸びた周囲の植物の中で全く目立たない存在だが、この季節になると白いおとなしい花をつけ、その花によって茶の木があった事を思い出すのだった。空家のある場所は滅多に通らないが、通るたびに少しずつ崩れていき、今年はとうとう倒壊してしまった、、、。(2015年冬詠)