夏つばめ寺の大屋根越えて来る

つい仰いでしまうのが寺の大屋根。五月の空を背景に絶妙な反りを見せる屋根を仰いでいると、いきなり屋根の上に白い腹を見せて上昇する燕が現れた。燕は現れると同時に速度を落とし、次の瞬間にはもう角度を変えて速度をあげる。見とれる間もなく、たちまちに頭上を過ぎて行った、、、。(2017年夏詠)

よしきりや野にある墓のみな光り

川べりの墓地に立つ木の中からギョギョッシ、ギョギョッシと頻りに鳴くヨシキリの声。土手の上から眺めると、ちょうど日差が墓石に反射して眩しい。昨年の春の俳句帖に書いている句。今年は早くから暑くなったのに、まだヨシキリの声を聞いていない、、、。(2017年春詠)