いかしの舎茶房にて。いつもは閉まっている大きなガラス戸が開いている。外にも席が用意されているのかな?中にも気持ちの良い風が入って来る。まさに薫風、、、。(2017年夏詠)
月: 2018年5月
夏つばめ寺の大屋根越えて来る
つい仰いでしまうのが寺の大屋根。五月の空を背景に絶妙な反りを見せる屋根を仰いでいると、いきなり屋根の上に白い腹を見せて上昇する燕が現れた。燕は現れると同時に速度を落とし、次の瞬間にはもう角度を変えて速度をあげる。見とれる間もなく、たちまちに頭上を過ぎて行った、、、。(2017年夏詠)
風音の耳を撫でゆく五月かな
「天気が良くて、暑からず、寒からず、程よい風が吹く日」と注釈が必要ですね、今年の天候では、、、。(2017年夏詠)
黄菖蒲や午後の川風切れ目なく
やはり少し早い気はしますが黄菖蒲が咲き始めました。川縁の緑の中に一輪二輪と増えて行きます。気持ちの良い風が吹いています、、、。(2017年夏詠)
緑雨して力ぬけたる山の色
山がきれいです。ことに雨の後、柔らかい、色に力みがない、いいところだらけです、、、。(2017年夏詠)
山藤を映して朝の田水澄む
山間の田んぼは田植えが早い。句会への途上で見かけたそんな田んぼの一つ、もういつ植えても良い状態なのだろう、田んぼの水は澄み、すぐそばに迫った山藤が見事に映っていた、、、。(2017年春詠)
にはか雨立夏の朝の土匂ふ
夏です。どうやら去年はにわか雨があったらしい、、、。(2017年夏詠)
行く春の川を見つめて男立つ
散歩途中で見かけた景、理由はわかりません、、、。(2017年春詠)
よしきりや野にある墓のみな光り
川べりの墓地に立つ木の中からギョギョッシ、ギョギョッシと頻りに鳴くヨシキリの声。土手の上から眺めると、ちょうど日差が墓石に反射して眩しい。昨年の春の俳句帖に書いている句。今年は早くから暑くなったのに、まだヨシキリの声を聞いていない、、、。(2017年春詠)
ガラガラと引戸八十八夜かな
書けば「ガラガラ」だが、アルミサッシと木製では音が違う。軽やかに動く木製の引戸は気持ち良い。それも暖簾の向うの年季の入った木製の引戸、、、。(2017年春詠)