荒涼とした冬田。人影は無い。動くものと言えばカラスのみ、、、。(2017年冬詠)
月: 2019年1月
雪降るや電車に二つ前照灯
昨日の朝はみぞれ混じりの雪、今シーズン初の雪景色となりました。それもこの時期としては珍しく水分の多いしっとりとした雪景色、その分すぐに消えてしまいましたが、、、。(2017年冬詠)
ゆつくりと風をあやつり冬鳶
冬には良い上昇気流が出来るのでしょうね。天気の良い空に風を楽しんでいるような鳶の姿が見られます。高く、高く、高く、、、。(2017年冬詠)
寒の川老婆こつそりごみ捨つる
もう何年も前から気付いていたのですが、毎朝大師堂にお参りをして、その足ですぐ傍を流れる用水路に持参したゴミを捨てて帰るお婆さんがいます。年齢は秋の季語になりますがまさに生身魂、風が吹けば飛びそうな風体のお婆さんです。何の意味があるのか、年寄で量もわずかなので見て見ぬふりをしていますが、、、。(2017年冬詠)
鐘氷る三鬼記せし城跡の
「鐘氷る」とは万物が氷りつきそうな冬の日の大鐘の響をいうそうです。面白い季語があるものですね。西東三鬼が子供の頃を書いた随筆にお城山の鐘が出てきますが、掲句はその鐘です、、、。(2017年冬詠)
葉の緑実の赤極み寒の入
今日は小寒、いよいよ寒くなりますね。掲句は昨年の庭の万両です。今年は万両に限らず赤い実が綺麗な木が多いように思います、、、。(2017年冬詠)
水鳥の纏ふは朝日水の綺羅
いつかこんな映像を見たことがあるなあと思いつつの朝の散歩。川面に反射する朝日の逆光の中で水鳥の群が影となって遊んでいる。漣の煌きと遊ぶ鳥たちの振りまく水の煌きと、、、。(2017年冬詠)
犬猫の数も鯛焼買ひにけり
初詣に行く神社、毎年同じ二軒の鯛焼き屋の屋台が出ています。一方は長蛇の列、もう一方はいつも空っぽです。空っぽのほうで買えば早いのですが、長蛇の後についてしまいます。たぶん(たぶんですが)味はそんなに変わらないだろうと思いつつ、、、。(2018年新年詠)
初祓押し戴きて札もらふ
拝殿に上がりお祓いを受けた後にお札を戴きます。ここで戴いたお札は我が家の形ばかりの神棚に祀って一年間お世話になります。一年お世話になったお札は次の年の初参りの時に拝殿脇に置かれた箱に納めます。この繰り返しが我が家にとって大事な年中行事となっています、、、。(2018年新年詠)
子の嫁の御慶申せりこそばゆし
実はこういう日が来るのを心待ちにしていたのです、、、。(2018年新年詠)