寒の川老婆こつそりごみ捨つる

もう何年も前から気付いていたのですが、毎朝大師堂にお参りをして、その足ですぐ傍を流れる用水路に持参したゴミを捨てて帰るお婆さんがいます。年齢は秋の季語になりますがまさに生身魂、風が吹けば飛びそうな風体のお婆さんです。何の意味があるのか、年寄で量もわずかなので見て見ぬふりをしていますが、、、。(2017年冬詠)

犬猫の数も鯛焼買ひにけり

初詣に行く神社、毎年同じ二軒の鯛焼き屋の屋台が出ています。一方は長蛇の列、もう一方はいつも空っぽです。空っぽのほうで買えば早いのですが、長蛇の後についてしまいます。たぶん(たぶんですが)味はそんなに変わらないだろうと思いつつ、、、。(2018年新年詠)

初祓押し戴きて札もらふ

拝殿に上がりお祓いを受けた後にお札を戴きます。ここで戴いたお札は我が家の形ばかりの神棚に祀って一年間お世話になります。一年お世話になったお札は次の年の初参りの時に拝殿脇に置かれた箱に納めます。この繰り返しが我が家にとって大事な年中行事となっています、、、。(2018年新年詠)