秋口の猛々しい声が嘘のようにおとなしくなった鵙が電線に一匹、なにやらお喋りを続けている。どこかに相手がいるのだろうが、私の耳には聞こえてこない、、、。(2020年冬詠)
月: 2021年12月
境内の落葉で遊ぶつむじ風
風が遊んでいるのか落葉が遊んでいるのか、広い境内に落葉の渦が、、、。(2020年冬詠)
冬満月雪降る中のうす明かり
昨日の朝は積雪がありました。今シーズンの初雪です。それで昨年の雪の句を探していたらこの句が。あれっ?昨夜も月がきれいだったぞ、と思い暦を見ると、なんと、今日が満月。偶然ですが面白いものです、、、。(2020年冬詠)
捨つるもの捨てて冬田の薄煙
そろそろ年末の大掃除、と思うのですが思うようには進みません。掲句は昨年、ゴミ出しの後に見た冬田の煙、あの色はたぶんゴミを焼いた煙、、、。(2020年冬詠)
川越しに手を振るマスク美人かな
川を挟んだ向こう岸で手を振ってくれているマスクの女性、誰だったかは書かずにおきましょう、、、。(2020年冬詠)
凍雲の速さが風の強さかな
寒くなってきましたね、、、。(2020年冬詠)
その数の光返せり冬木の芽
我が家のちょうど二階の窓の高さに咲く辛夷の木があります。今年は全く咲かなかったのですが、落葉が終わった今その木に新しい冬芽が見えています。大きめのビロードのような芽がたぶん花芽でしょう。来年の春が楽しみです、、、。(2020年冬詠)
憂国忌少年丘に夕日見る
憂国忌は三島由紀夫の忌日、11月25日、ちょっと遅れてしまいましたが夕日がきれいだったので思い出してこの句を、、、。51年前、憂国とは縁のない少年でしたが、三島の本は何冊も読んでいましたし、衝撃を受けました。学校も同じ敷地内にある学生寮も丘の上、夕日がきれいな場所でした、、、。(2020年冬詠)
掃けばまた散り来る落葉掃けばまた
長かった庭の落葉掃きがやっと一区切りしました。次の常緑樹の落葉が始まる春まではしばらくのお休みです。庭がずいぶん明るくなりましたよ、、、。(2020年冬詠)
消え残る家一戸ある冬田越し
冬至までもう少し、今が一番朝が遅い頃ですね、、、。(2020年冬詠)