老いし眼の届かぬ高さ懸り藤

阿智神社の参道脇の高木の、そのまた上に藤の花が見えます。ずいぶん高いのです。眺めていると通りかかった二人連れの老人が「今年は藤が咲いとらんなあ」と言いながら上を眺めています。教えてあげようかと思ったのですが、それが、二人が眺めているのが、ちょうど私が眺めている藤の方向なのです。私が教える事を躊躇している間に二人は通り過ぎて行きました、、、。(2018年春詠)

林立の発電風車山笑ふ

もう二年近く、毎朝眼の運動をしています。そのせいか最近遠くの山が良く見えるのです。山上の鉄塔らしき物、建物らしき物を見つけて、何だろうと想像して楽しんでいます。掲句の山はもう少し近く、発電風車は良いのですが、いつのまにか周囲がはげ山に、、、。(2018年春詠)

山越えて湖越えて来る飛花落花

昨日は新庄村まで足を延ばして凱旋桜を見て来ました。ちょうど満開でした。平日にもかかわらず大勢の人でした。平日だからでしょう年齢層は若干高めだったように思います。掲句は昨年、近くの土手の桜と思いますが、風向きによっては我が家の庭まで飛んできて、楽しませてくれるのです、、、。(2018年春詠)

鳥交るあつけらかんと空ありて

晩春の青空の下、考え事をしながら歩いていると、突然に声がしてもつれれるように雀が落ちて来る。と見ればもう二つに分かれて飛び立っている。何を考えていたんだか、忘れてしまった、、、。(2018年春詠)