羽音して落花しばらく続きけり

鳥の羽音には夢がある。例えば頭上を過ぎ行く鴨の群の撓るような強い羽音には、渡り行く旅路の果ての私の知らない世界のことを想う。庭の椿に来る密やかな羽音には、今蜜を吸っているであろう小鳥の見えない姿を、周囲を気にしながらのその仕草とともに想う、、、。掲句は足守吟行のおりの句、飛立ったのはヒヨドリだったろうか、、、。(2008年春詠)