青田中男くゆらす紫煙かな

七月一日、今日から今年も後半です。早いもので、もう田圃は植田から青田へと変わっています。掲句の男性は近所の本気で農業をされている方の一人です。と言っても農業一本となられたらしいのは昨年ぐらいから、時々こんな姿を見ていました。今年は明らかに違います。朝一番から暗くなるまで、田圃に入られています。きっと秋になればその本気度が田圃に現われてくるでしょう。見ているほうも楽しみです、、、。(2014年夏詠)

農小屋の眠れるごとし大青田

農小屋の中には出番の終った農機具や、資材などが入っているのだろう、広い青田の中にぽつんと立っている。錆びたトタン板の、継ぎ接ぎだらけの小屋は、決して立派とは言えないが、経てきた年月の風格が漂っている。真昼の風にさわさわと音を立てる青田をよそに、まるで眠っているようにさえ見える、、、。(2010年夏詠)