溝浚へ溝の中にもハーブの芽

毎年この時期になると町内の溝浚えがある。田圃に水が入る前に掃除をと言う意味があるのだろうが、我が町内に田圃をしている人はいない。それに難しい場所でもないのでいつも和気あいあいの内にさっさと終わってしまう。昨年は溝の中にミントを見つけた。今年は小さな亀が一匹、、、。(2017年夏詠)

教会の前は竹やぶ蜥蜴這ふ

見かけは普通の簡素な民家のようだけど、壁に教会と書いた大きな看板があるから教会なのだろう。アルファベットで何やら書いてあるのが宗派なのだろうが、よくわからない。すぐ前の細い道は未舗装、さらにその前は竹藪だ。おやおや、何か動いたと思えばなんとトカゲではないか、、、。(2017年夏詠)

手を合せをれば藪蚊が耳元に

吟行途中に見つけた藪の中の小さなお社、一応拝まねばなるまいと小銭を投じ二礼二拍手、手を合せる。人の無いのを良い事に一人願い事をつぶやいていると、耳元に何やら嫌な予感、しまったと思った時にはもう遅かった。痒いのなんの、、、。(2017年夏詠)

夏つばめ寺の大屋根越えて来る

つい仰いでしまうのが寺の大屋根。五月の空を背景に絶妙な反りを見せる屋根を仰いでいると、いきなり屋根の上に白い腹を見せて上昇する燕が現れた。燕は現れると同時に速度を落とし、次の瞬間にはもう角度を変えて速度をあげる。見とれる間もなく、たちまちに頭上を過ぎて行った、、、。(2017年夏詠)