うまく土地と合ったのか、一度植えた百合が何年も生えては花を咲かせてくれる。それも最初の年は丈が低く一株だったものが、今では人間の背丈ほどの集団になっている。こう雨が続くと思いのほかその成長が早く、気づけば今にも倒れそうに曲がっている。それを抱えて抱き起し、新たな紐をかけるのだが、水滴はかかるし、花粉はつきそうになるし、、、。(2015年夏詠)
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洋館のフェンスは白し南瓜咲く
毎年のことですがコンポストに入れたカボチャが芽を出しました。せっかくだからそのまま植えて置いたらいつの間にか大きく育って、ついに生垣を突き抜けてしまいました。今50Cmほどでしょうか、生垣の上に覗いています。花も咲いていますが、まだ雄花ばかりです。何個か収穫できれば良いのですが、、、。掲句は散歩途中にあるお宅、、、。(2014年夏詠)
夏雲の威風堂々立上がる
梅雨空にもちょっと食傷ぎみ、そろそろこんな雲を見たいと思う。次第に白く積み上がり、頂上付近はもう白を超えた白に見える。そんな中から音もなく光りながらジェット機が滑り出してくる。なんて事になれば、もう梅雨空なんてどうでも良い。威風堂々はちょっとありきたりの言葉になった感がありますが、、、。(2015年夏詠)
人気なき社務所に回る扇風機
阿智神社の社務所、空っぽのことが多い。この日も空っぽ、小さな扇風機が首を振っていた、、、。(2015年夏詠)
桑の木の雀がこぼす青時雨
青時雨と言うだけで濡れた顔や手もなんとなく涼しく気持ちよく感じられる。枝を揺らして逃げて行った雀に感謝、、、。早いものですね、もう夏至ですよ、、、。(2015年夏詠)
蛇死して影焼き付けるアスファルト
朝の散歩に出ると、夜の間に轢死した蛇によく出会う。たぶん夜も残るアスファルトの温みを求めて路上に出ていて被害にあうのだろう。トラックのような大きなタイヤにまともに轢かれると、まるで煎餅のようになってしまう。よくしたもので、その煎餅が次にそこを通りかかる頃には、烏かトンビか、あるいは狐か、綺麗に処分してアスファルトには影だけが残っている、、、。(2015年夏詠)
通し鴨川のあれこれ知りつくし
梅雨で増水した川を鴨が泳いでいる。先頭をスイスイと行く大きいのがお父さんだろうか。少し離れて小さめのが四羽。子供とお母さんなのか、子供だけなのか。まさか、お母さんが四羽ってことはないだろう、、、。(2015年夏詠)
香水と異国の言葉入り交じる
倉敷美観地区での句です。最近はずいぶんと外国の方が増えました。一目で外国の方とわかる人ばかりではなく、外見では分からないアジア系の方も多いです。掲句の香水、おやっ(?)と思っている耳元に聞こえてきたのは中国語でした、、、。(2015年夏詠)
夏草も人も我が物顔の街
どこの街ってことは無いのですが、こんな風に感じることも、、、。ようするに田舎者なんですね、、、。(2015年夏詠)
だんご虫掃けば転がる梅雨の土間
去年も似たような句を書いているということは、やはりこの時期になるとダンゴムシが出てくるという事だろう。箒が触れると丸まってそのまま転がってしまう。うまく丸まるもんだ、、、。(2015年夏詠)