如月の霜と拮抗したる日と

朝は一面霜で真っ白、肌を突き刺すような寒さを感じますが、太陽が昇ると途端に空気が柔らかくなって、身体の力が抜けて来るような気がします。そのちょうど真ん中あたりで詠んだ昨年の句、、、。(2022年春詠)

田蛙に皆既月食ゆくりなし

昨年の5月26日は皆既月食だったようです。田蛙は春の季語ですが、この辺りで田水が入り田植が始まるのは五月の下旬、すなわち田蛙の合唱が聞こえるようになるのは今頃からなのです。蛙たちに皆既月食はどう映ったか、、、。(2021年夏詠)

その上に城址あるてふ山の春

散歩の終点の川向うにある山上に城があったと知ったのはいつだったか。そう思って見上げると確かに川側の斜面は急峻で、守りには適しているようだ。山上からは一帯が隈なく見渡せそうだ。春になると急峻な斜面のあちこちに山桜が咲く、それが終わると山つつじ、藤、朴の花と続く。残念ながら城跡への道は整備されていないらしい、、、。(2021年春詠)