朝は一面霜で真っ白、肌を突き刺すような寒さを感じますが、太陽が昇ると途端に空気が柔らかくなって、身体の力が抜けて来るような気がします。そのちょうど真ん中あたりで詠んだ昨年の句、、、。(2022年春詠)
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耕人となりて漢の背の孤独
田圃に人影が戻って来ました。早くも稲作の準備なのでしょう。作業の中身は分かりませんが畔のあたりに黙々と鍬をふる姿があります。土と向き合って没頭している背中は良いものです、、、。(2022年春詠)
春の声一駅前を出たらしき
遠くから聞こえる列車の発車前の警笛、それからしばらくして今度は近くの鉄橋の前でまた警笛、年がら年中聞いていますが春の声と思えば楽しい音に、、、。(2022年春詠)
浅春のこんがり匂ふ朝のパン
買ってきた食パンをオーブントースターで焼いた「焼きたて」です。とは言えコーヒーと相まって食欲をそそられる良い匂いです、、、。(2022年春詠)
立春の全き空の朝日かな
昨年の立春の句です。春は名のみの、、、。(2022年春詠)
田蛙の止んで闇より他に無し
田蛙のシーズンです。一斉に鳴いて、一斉に黙って、それが田圃単位ぐらいで伝播していくような気がします。不思議です、、、。(2021年夏詠)
田蛙に皆既月食ゆくりなし
昨年の5月26日は皆既月食だったようです。田蛙は春の季語ですが、この辺りで田水が入り田植が始まるのは五月の下旬、すなわち田蛙の合唱が聞こえるようになるのは今頃からなのです。蛙たちに皆既月食はどう映ったか、、、。(2021年夏詠)
行く春の空を二つに飛行雲
青空を真っ二つに切るように伸びていく飛行機雲、、、。(2021年春詠)
晩春の野をゆく身体ほぐしつつ
気持ちの良い朝は身体のあちこちを動かして、身体をほぐしながら歩きます。もちろん人目がない所ではです。人が現れるとごく自然に、何食わぬ顔にもどります、、、。(2021年春詠)
その上に城址あるてふ山の春
散歩の終点の川向うにある山上に城があったと知ったのはいつだったか。そう思って見上げると確かに川側の斜面は急峻で、守りには適しているようだ。山上からは一帯が隈なく見渡せそうだ。春になると急峻な斜面のあちこちに山桜が咲く、それが終わると山つつじ、藤、朴の花と続く。残念ながら城跡への道は整備されていないらしい、、、。(2021年春詠)