これも愛犬もみじがいた頃の思い出です。毎日の散歩、、、。(2020年冬詠)
タグ: 枯野
備長の叩いて遠き枯野かな
なんだか意味不明な句になってしまいましたが備長炭です。叩くと炭とは思えない金属質の良い音がします。火勢が強く鋳物師用に作られた炭だったようです、、、。(2000年冬詠)
地に還るものを眠らせ大枯野
二週間ほど前になりますが甥の結婚式で久しぶりに大阪へ行きました。翌日高速バスの待合室で時間をつぶしていると、道路の向こう側の歩道を散歩する黒ラブの姿が見えました。離れていたので犬が黒ラブであること、連れているのが私と同年輩の男性であることぐらいしか分かりませんでしたが、いつものコースなのでしょう、どちらも慣れた足取りで通り過ぎて行きました。まるで我家と同じだと思ったのですが、ふと歩くところがまるっきり違うことに気づきました、、、。(2013年冬詠)
修行僧夢見し跡の枯野かな
美咲町の本山寺での句です。本山寺は平安末期に天台密教の山岳道場として創建され、当時は120を超える僧坊があったそうです。多くの修行僧がいたのでしょう、本堂に座って三重塔を眺めながら、当時に思いを馳せていると突然修行僧が現れて来そうな、そうな気さえして来るのです、、、。(2013年冬詠)
おしやべりの二人前行く枯野かな
もう、さっさと歩いてよ、と思いながら近所の人だから何も言わない。と言って、追い越すには早い、後をついて行くには遅い、中途半端な二人連れの女性、、、。(2013年冬詠)
枯野行く一つの影となりて行く
枯野を歩いていた。上空の声に見上げると、はるかな高みに鳶の姿が見えた。空から見ると、人間なんて小っぽけな物なんだろうと、そんな事を考えた。眼を落したその先に、自分の影が小さく見えた、、、。(2012年冬詠)