生きているものとも死んでいるものとも分かりませんが、動かないカマキリ、、、。(2022年冬詠)
枯葎突つ切つてある獣道
しばし休憩と車を止めた山中の道路脇の駐車スペース、その先はお決まりの枯葎、入ろうとは思わないが入れそうにもない。よく見るとその枯葎の下のほうにポッカリと穴が開いたようになっている。覗くと奥のほうまでトンネルのように続いている。獣道、穴の大きさからすると狐か狸だろうか。猪や熊ではなさそう、、、。(2022年冬詠)
神無月鳥賑やかに杜の空
近所の神社の杜、賑やかです。いちばん賑やかなのは鵯、他の鳥を寄せ付けないような声、、、。(2022年冬詠)
街の空灯りて暗し夕時雨
冬の雨の日は寒い。そして暗い、、、。(2022年冬詠)
人間が来たぞと鴨の見張役
川に浮かぶ鴨の群、それぞれに見張り役がいるようで、他の鴨とはちょっと鳴き方が違う。いかにも「気を付けろよ」と言っているような声。移動して行くと今度は次の群の見張り役がやはり同じような鳴き方をする。これが川から離れるまで続く、、、。(2022年冬詠)
伸び放題のびて山茶花大らかに
咲き始めた山茶花を見つけたので昨年のこの句を。近所にあった空家の跡、更地になった土地になぜか一本だけ残された山茶花。「えっ!山茶花ってこんなに大きくなるのか!」と感心したぐらいに育ち、大きく伸ばした枝が花盛り、、、。(2022年冬詠)
捨墓の見ゆる葎や実南天
夏の間は墓も青々と茂った葉の奥で全く見えないが、この時期になり衰えて葉が落ちかけると次第にその姿を現すようになる。と同時にその墓に眼が行くように、その前に生えて大きく育った南天の熟れた赤い実が次第に目立つようになる、、、。(2022年冬詠)
猫に留守頼みて出でし小春かな
天気が良いので、猫は猫で出かけるだろうが、一応留守を頼んで、、、。(2022年冬詠)
凍蝶に命のもどり来る朝日
本当は眠っている状態でしょうから命が戻るとは言えないのですが、草の葉陰で動き始める蝶を見ているとそんな気がするのです、、、。(2022年冬詠)
払はむとすれば縋りて冬の虫
本当は縋るつもりなど無かったのでしょうが、それでも何となく哀れに感じてしまいます、、、。(2022年冬詠)