おはやうの他は異国語そぞろ寒

実習生らしいアジア系の青年の五人組、私の散歩の時刻がちょうど自転車通勤の時刻らしく、挨拶するように教えられたのか、てんでに片言で「おはようございます」らしき事を言って通り過ぎる。それが昨年の今頃の事。いつのまにか人数が減り、今出会うのは一人だけ、、、。(2020年秋詠)

秋日濃し漢眠れる土手の草

散歩の途中でふと見ると土手と河原の境のあたりに人が倒れている。あまり身なりが良いようには見えない男性。もしかして行き倒れ、あるいは死人、と思ったがよく見ると微かに動いている。どうするか落ち着いて考えようと、そのままもう少し散歩を続けて、戻ってみると跡形もなく消えていた。どうやら天気が良いので眠っていただけだったらしい、、、。(2020年秋詠)

電柱をのぼりし葛の獣めく

民営化されて以後、小さな単線の線路脇などほとんど手入れされる事がなくなった。葛が生え、線路脇の電柱に上り、上で大きな茂みになっている。そこに風が吹くと大きく揺れる。夜ともなるとまるで生き物のように見える、、、。(2020年秋詠)