踏切が珍しい訳ではないのですが、旅に出るとなぜか新鮮、駅のそばにある待ち時間の長い長い踏切さえも、、、。(2016年夏詠)
目つぶれば見て来し方の万緑が
晴天の中で圧倒されるような緑、目を瞑っても緑、、、。(2016年夏詠)
掃き寄せてまた薫風に遊ばるる
風に負けずに掃除をするのも結構楽しいものですが、度重なると、、、。(2016年夏詠)
夏蔦のゆらぎ水面のゆらぎへと
倉敷アイビースクエアの中の広場にある池です、、、。(2016年夏詠)
空豆に残る野の色野のかをり
空豆を食べると夏という気分になります。ビールがあればもっと良いと思うのですが、あきさ亭での句会前の食事です、、、。(2016年夏詠)
睡蓮やぬつと出てくる鯉の口
睡蓮はこれくらいが良いです。茂りすぎて水面が見えないような池を睡蓮が見頃と紹介されても、、、。(2016年夏詠)
水平に空の一枚大代田
田植が始まりました。水の入った広い田圃に朝の光が反射して、上にも下にも空があるようです。時々私の実家の狭い風景と比較してみるのですが、実家の隣に田圃が一枚あって、その次に川があって、また一枚田圃があって、その次に隣家があります。たぶんそれだけの風景が、この一枚の田圃に収まるだろうと、、、。(2016年夏詠)
つくづくと雨美しき五月かな
好天続きで雨が恋しいです、、、。(2016年夏詠)
少年の自画像青し夏来る
機会が少ないので何かしら見つけては入ってみる絵画展。外の暑さから逃れられるのもその目的の一つだから、内容の良し悪しはあまり気にしない。いつもの通りサラリと流していると、この自画像の前で足が止まった。作者の年齢は書かれていないが、描かれている顔は高校生ぐらい、基調となっている沈んだ青の色が、ある時期の青春そのものという感じがして、良い画だと思った、、、。(2016年夏詠)
草の中草をゆらして蛇静か
風のない午後の草原の、一所だけ草が揺れている。音もせずその揺れが少しずつ近づいて来る。何んとも不気味だが、正体は分かっている。普通の蛇、出会うとお互いにビックリするだけで、向こうがそそくさと逃げて行く。逃げない蛇は怖い、、、。(2016年夏詠)