毛虫這ふ見てをり話聞いてをり

もう一句、毛虫の句です。早く終わらないかなあと思いながら聞いている散歩途中の立ち話。ふと足元を見ると大きな毛虫、せっせと道を渡っていく。おいおいそっちに行くと大きな足で踏まれるぞ。そうそう、まだ気づいていないぞ、そこで曲がれ。と、話に相槌を打ちながら、、、。(2016年夏詠)

行く春の指先欠けし阿弥陀仏

とある寺の、薄暗いお堂の中の阿弥陀仏、よく見ると上げた右手の木製の人差し指の先が小さく欠けている。お寺も、お堂も、仏様も古い。空家の目立つ村の寺では、なかなか修復ともいかないのだろう。お顔のやさしさが心にしみる、、、。(2016年春詠)

開け放つ扉五月の風に向け

もう一句、五月です。ほどよい風の日には、です。昨日は風も強く、なんだか不安定な天気でした。上空に寒気が入り込み、暖まった地上との温度差が40度を超えると、雷やら雨やら、不安定な天気になる確率が上がるのだそうです。最近の天気予報は詳しいですね、、、。(2016年春詠)

グランドの野球少年雀の子

ただっ広いグランドの向うの隅で少年野球の練習が続いている。絶え間なく続く少年たちの声、それに時たまコーチの大きな声が混じる。こちらは外野の、フェンスの外。フェンス際では雀が、こちらも賑やか、、、。(2016年春詠)