蝋梅の香に誘はれて風上へ

遅い遅いと言いながらも春は少しずつです。蝋梅の季は冬、昨年のこの句、詠んだのは確か二月だったような気がします。蝋梅は冬だったなあと思いながら詠んだ記憶があります。我が家の裏の蝋梅、今年はさらに遅く、先日からやっと匂うようになってきました、、、。(2024年春詠)

芽起こしの雨の上がれば鳥の声

鳥の声が聞こえだしたと思ったら雨が上がっている。雨上がりを待っていたのだろう鳥たちの声が楽しそうに聞こえる。鳥たちが鳴いている樹々もそろそろ芽吹きの季節、気のせいか梢のあたりに緑が、、、。(2024年春詠)

休日の校舎のチャイムのどけしや

春の散歩は日差のある時に限ると思いながら歩いていると遠くからチャイムの音が聞こえて来た。ちょうど小学校のある方角かな。休日だからと言う事はないだろうが、なんだかのどかな響き、、、。(2024年春詠)

春炬燵そろそろ重き膝の猫

お互いにそろそろと思っているからだろう、暖かくなると猫もだんだんと膝に来なくなる。それに掲句の昨年はまだ子猫、一年たった今年は猫も一人前、炬燵にもサッサと自分で入れるようになった、、、。(2024年春詠)

流れゆくものに芥と春の鴨

朝の散歩で川を流れて行くごみを見るのは気分が良くない。色の鮮やかさからたぶんすぐ上手にある橋の上から捨てられた物だろう。車の中からポイと。以前より減ったとは言え相変わらず無くならない。数メートル離れて川を下って行く鴨と同じ速さで流れて行く、、、。(2024年春詠)