ことさらに一日長き初仕事

俳句を始めて二十年目に入りました。長い割に進歩は少ない。今年は今までの句を一度整理してみようと思っています、、、。パソコンの古いデータを追っかけて行くと、俳句を始めたのは1997年12月25日、年が明けて初仕事の日に作ったのが掲句になります。若かったですね、、、。(1998年新年詠)

銀漢に覆ひ尽くされ峪の村

子供の頃の実家周辺には街灯がなかった。だから家々の灯りが消えると集落は真の闇に包まれる。真上に、Ⅴ字に切り立った山を橋脚のようにして、銀河が横たわる。流星が見える。蚊取線香を点けて縁台に寝転がっていると時を忘れた。飽きることはなかった、、、。(1998年秋詠)

かなぶんの瑠璃の背急に開き発つ

また古い句です。散歩の途中で見つけた綺麗な黄金虫、観察途中に突然、、、。黄金虫は逃げましたが、代わりにこの句が残ったのです。この句は出来た場所もきちんと覚えています。GPSぐらいに正確に、、、。(1998年夏詠)

らつきようの白き眠りの瓶の底

先日 money.child さんに発掘していただいた初心の頃の句です。自分でも懐かしくて書いてみました、、、。好みはまだ青臭さが残るぐらいのラッキョウですが、二人暮らしになってからというもの消費量ガタ落ちで、古いラッキョウがいつまでも出てきます。困ったものです、、、。(1998年夏詠)

紙器工場夜業の窓にラジオ鳴る

これも初期の句です。見るもの聞くもの何でも新鮮で句になっていた、、、。秋になると少し遅れると日暮れて帰ることになる。通勤途中にある紙器工場はその時間帯にはいつも明かりが点いていた。開け放った表戸のすぐ奥で古びたプレス機が動き、窓辺ではラジオが大きな音をたてていた。人影を見ることはほとんど無かったが、たまに見るのはいつも同じ中年の男性だったから、一人だけの工場だったのかも知れない、、、。(1998年秋詠)

モノレール千里の秋へ滑り出す

初期の作品です。中国道を走っての大阪出張、吹田近くになると見られる大阪モノレールの風景です。そう、千里は大阪の千里です。伊丹発着の飛行機が見えて、モノレールが見えて、万博公園の太陽の塔が見えると吹田出口、「やれやれやっと大阪」と思ったものですが、今となれば出張も懐かしい、、、。(1998年秋詠)

宅配の一声響き梨届く

ずいぶん昔の作品です。当時この辺りで梨と言えば鳥取の二十世紀梨、そんな頃にこちらのほうが美味しいよ、と届いたのが品種は忘れましたがこの梨です。確かに、、、。今はいろいろな梨が出回っていますね。梨に限らず果物の美味しい季節です、、、。(1998年秋詠)