番傘の干され社務所の梅雨晴間

番傘で良かった。社務所にビニール傘じゃあ句にならないところでした。昨年の倉敷阿智神社での句です。今年は傘を干すことが無いような晴間続きでしたが、そろそろ梅雨本番になりそうですね、、、。(2016年夏詠)

庭掃いて葬りし蟻の数知れず

外来種のヒアリ(火蟻)がニュースに出ていましたね。毒性の強い殺人蟻ということでした。恐ろしいですね。毒性は無くても家を食い荒らす白アリも嫌な蟻です。それに比べると可愛いもの、掲句の蟻は我が家の庭のただの小さな蟻です、、、。(2016年夏詠)

五月闇部屋の中まで浸しけり

庭の落葉樹が大きくなって葉を広げ、晴れた日でも部屋の中が暗い。それが涼しさの源で、少なからず省エネに役立っているのだが、さすがに梅雨の最中になると鬱陶しく感じられる。身体に黴が生えないように、、、。それにしても、梅雨はどこへ行ったのでしょうね、、、?(2016年夏詠)

吸殻に口紅の跡さみだるる

帰ろうと思って外に出ると雨、さてどうしよう。見渡すとそばに喫煙者用の灰皿とベンチ、灰皿にはまだ新しそうな口紅のついた吸殻が二本残っていた。雨はすぐには止みそうになかった。ベンチで休憩という選択肢もあったが、迷わず雨の中を車まで走った、、、。(2016年夏詠)

木漏れ日の影となりたる夏の蝶

すっかり青葉になってしまった桜並木、風の通りも良いし、散歩途中の絶好の息抜きの場所になっている。めまといのような嫌われ者も来るが、大きな黒揚羽もよくやって来る。時にもつれながら、ほどよい木洩れ日の中を出たり入ったりしている、、、。(2016年夏詠)