トラックの北国なまり屋根に雪

掲句は道の駅での景です、、、。仕事をしていた頃いつも入ってくるトラックに東北ナンバーの車がありました。一目で分かる、少しだけデコレーションを施した、派手なトラックでした。運転手のほうは反対に寡黙で、ほとんど話をすることはありませんでしたが、話せば東北なまりで訥々と、、、。退職前のちょうど今頃だったでしょうか、業務の引継ぎで四国の工場へ行っていて、そこへ入って来たのがそのトラックでした。まさかこんな所で会うとはと驚きましたが、それでもその時は懐かしくて、お互いにずいぶん喋りました。東北なまりと岡山なまりで、、、。(2014年冬詠)

電線に孤高の一羽雪降る夜

昨年の雪の夜の景です、、、。天気予報では今日は雪、この冬最大、数十年に一度の大寒波とか、、、。暖冬と思っていたらいつの間にか普通の冬に戻ってしまいましたね。道端にはまだ先日の雪が残っていますよ、、、。(2014年冬詠)

饅頭屋あるじも客もマスクして

倉敷美観地区の近くの商店街にある「えびす饅頭」、通るといつも良い匂がして食欲をそそられます。昔ながらの懐かしい饅頭、私の田舎では「ふうまん」と言っていました。津山では「横綱饅頭」、一般的には「大判焼き」「今川焼き」と言ったところでしょうか、、、。(2014年冬詠)

葉の紅は耐ふる色とも冬薔薇

甘くは無かったですね。寒くなりました。昨日は一日中雪が舞っていました。積もるほどではありませんでしたが、軟弱ですので迷わずコタツの中へ、、、。掲句は我家の庭の昨年の冬薔薇です。寒さに耐えながら咲いている冬の薔薇は凛とした美しさがあります。でも、そんな薔薇の葉に目をやると、しもやけの手のように紅くなって、、、。(2014年冬詠)

冬出水なんぎしてゐる川の鳥

こんな句がありました。冬に川が濁るほどの雨は滅多にありませんが、あったのですね。さすがの水鳥たちも岸に上がって、、、。一昨日からプールのジャグジーが故障していて難義しています。疲れがとれないと思ったら、どうもこれが原因のような気がします。普段は大体10分ぐらいは浸かっています。一人の時は縁に首を乗っけて手足を伸ばしてプカプカと浮いています。これがついウトウトとしてしまいそうなぐらいに気持ちがいい。大勢で世間話に相槌を打ちながら浸かっているのも、これはこれで楽しいものですが、それもこれもジャグジーが動いていればこそ、、、。(2014年冬詠)

やさぐれて人家うかがふ寒狐

少し前から我が家の庭に四足の動物と思える糞が時々見られるようになりました。小さいから鼬だと思うのですが、正体はまだ見ていません。狐もやって来ますが、狐は糞は残しません。その代わり強い獣臭を残していきます。強烈で、犬の比ではありません。掲句の狐は早朝の散歩で遠くから見かけた狐、やせ細って、家の方を伺いながら行く姿にこんな句が出来ました。もっとも太った狐はいませんけど、、、。(2014年冬詠)

飴なめてマスクの口をしめらする

めったにマスクをする事は無いのですが、喉の辺りが怪しいのでマスクをして、ついでにのど飴までなめていた時の句です。最近は皆さん普通にマスクをされますが、私の場合は違和感があってどうも苦手です。半日ともたず、すぐに外したくなってしまいます、、、。そう言えば、今年は暖冬だからでしょうか、インフルエンザの話題を聞かないと思っていましたが、そろそろのようですね。皆様ご用心ください、、、。(2014年冬詠)

葉牡丹やビルの隙間の奥にビル

大阪での句。田舎町では路地を入るとまた路地があって、うっかり間違えると行き止まりの民家の庭に出たりする。なるほど、都会ではビルの間を入って行くとまたビルがあるのか、と感心した時に出来た句です、、、。(2014年冬詠)