水面の動く浮巣のある辺り

かいつぶりの声はするのですが姿が見えません。大川一枚隔てた向こう岸の崖の下、人間が近づけそうにない、たぶんあの辺に浮巣があるのだろうと想像するのですが、実物はまだ見たことがありません、、、。(2021年夏詠)

銀輪の植田の影も走りけり

水色の大きなランドセルを背負って蚊の鳴くような声で挨拶してくれていた近所の女の子、しばらく見ないので大きくなったろうと思っていたら、先日ヘルメットをかぶって自転車で登校する女子中学生を見かけた。まだ制服も自転車もヘルメットも借りてきたような感じで、すぐにあの女の子だとわかった。早いものです、、、。(2021年夏詠)

田蛙に皆既月食ゆくりなし

昨年の5月26日は皆既月食だったようです。田蛙は春の季語ですが、この辺りで田水が入り田植が始まるのは五月の下旬、すなわち田蛙の合唱が聞こえるようになるのは今頃からなのです。蛙たちに皆既月食はどう映ったか、、、。(2021年夏詠)