花万朶空に日陰のなかりけり 数限りなく詠まれてきた桜をどう詠んでも類句類想の域を出ないだろう、とは思いつつ毎年詠んでしまいます。写真は毎日眺めて通る土手の桜です。引っ越して来たのも四月でした。私の背丈ほどの木が慎ましく花をつけていました。その木がこんなに立派になりました。私が見てきたぶんだけ桜も私を見てきたのだと、ふとそんな事を考えました。昨日が満開でした。(2010年春詠)