病室の窓吹き上げて行く落花

三月に父の十三回忌を済ませました。早いものです。掲句は父が亡くなる少し前の高階の病室で、窓の外を眺めながら母が話してくれた事を詠んだ句です。母はその病院で父の前にも祖父や祖母を看取った事があるのですが、その時に見た窓の外を吹き上げてくる桜の景色が忘れられないと、コテコテの岡山弁で目を輝かせながら話すのです。この時が初めてでした、私の感性は母から受け継いだものだと認識したのは。私は、父がもう少しがんばってくれればまたその景色が見られるね、と、私もその景色を見たくて言ったのですが、結局桜を待たずに父は逝ってしまいました、、、。(2014年春詠)☆