夏の終りの句を、、、。(2020年秋詠)
月: 2021年8月
秋暑し犬も挨拶忘れけり
出会うと挨拶代わりに吠える知り合いの犬、吠えながらしっかり尾を振ってくれる。その犬が暑さのせいか黙って素通り、尾も振っていない、、、。(2020年秋詠)
芋水車まはる小流れ旧宿場
家々の前を清らかな水が流れている。その水を引き込むようにして家ごとに生簀が作られ、大きな錦鯉が泳いでいる。その鯉を眺めながら歩いているとコトコト回る懐かしい芋水車に出会った。春と違って静かな秋の新庄村、、、。(2020年秋詠)
小魚の返す煌き秋の川
橋の上から小川を眺めると沢山の小魚が群れている。時折横向きになり腹を見せると腹に太陽が反射してキラリと光る。お互いに見せ合って楽しんでいるように、一匹が終わると別の一匹がキラリと光る。まるで人間の子供たちが遊んでいるのと同じようだ、、、。(2020年秋詠)
葉を落し耐へる一樹や秋旱
残暑が戻って来ましたね。掲句は昨年の残暑、水不足の木々は葉を落として耐えていました。今年は、先日までの長雨で水分たっぷり、、、。(2020年秋詠)
落蝉の残る大路の箒跡
きれいに掃かれた道路に落蝉が一匹、掃かれた後に落ちたものか、はたまた残されたものか、、、。(2020年秋詠)
神参り付き来る秋の蚊を払ひ
しばらく雨が続いて寒かったので、もう蚊は出ないかと思ったら、ちょっと考えが甘かった。気温が上がればやっぱり出て来る。掲句は昨年、、、。(2020年秋詠)
夏痩の話にすする茶粥かな
昨年の八月の句会での句。今年は、またコロナ禍の対応で休止せざるを得なくなりました。残念です。皆さんお元気で再会出来ますように、、、。(2020年秋詠)
一陣の秋風路地に入りてより
路地に入るといろんな発見がある。風もその一つ、、、。(2020年秋詠)
雲の影吉備の山城撫でて秋
足守から総社へ抜ける道すがら右手の山上はるかに鬼ノ城が見える。空を大きな秋の雲が流れて行く。その影が山を這い 鬼ノ城 を覆いそして通り過ぎて行く、、、。(2020年秋詠)