先日河原を歩いていて危うく踏みそうになった小動物の死骸、よく見ると小さいけど立派な野ネズミ。帰って昨年の句帳を見ているとこの句が、、、。(2020年秋詠)
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雨傘のぼそりと開くそぞろ寒
愛用の大きく重いジャンプ傘。古い傘です。勢いよくは開きません、、、。(2020年秋詠)
おはやうの他は異国語そぞろ寒
実習生らしいアジア系の青年の五人組、私の散歩の時刻がちょうど自転車通勤の時刻らしく、挨拶するように教えられたのか、てんでに片言で「おはようございます」らしき事を言って通り過ぎる。それが昨年の今頃の事。いつのまにか人数が減り、今出会うのは一人だけ、、、。(2020年秋詠)
切る度に白さ増す髪そぞろ寒
掲句は昨年、今年はさらに、、、。(2020年秋詠)
山荘の朽ちし看板そぞろ寒
某紅葉の名所にある立派な山荘、表は高い塀と門でいつも閉ざされています。庶民には縁のない物と思ってと、近寄る事もなかったのですが、昨年ふと見ると、門の上にかけてある山荘の名前を書いた看板がずいぶん傷んでいるのです。あれっ?と思って、脇の路地を入って様子を見ると、建物も庭もずいぶん荒れています。どうやら長い間手入れもされていない様子、、、。(2018年秋詠)
野に生きて死せば鳥葬そぞろ寒
遠くから見える鴉の群。つついているのは明らかに動物の死骸、、、。(2018年秋詠)
屍を漁る烏やそぞろ寒
これも自然の摂理で、これによって綺麗になる自然もあるのですが、見ればちょっと心が痛みます、、、。(2017年秋詠)
痛む場所言ひ合うてゐるそぞろ寒
先日書いた某茶店前の風景、お年寄りが互いに痛む場所を大きな声で、、、。(2016年秋詠)
意味の無き声の零れてそぞろ寒
なんだかんだ言っているうちに秋も終盤に入って来ました。朝の散歩は寒いぐらいで、ついポケットに手が入ってしまいます。掲句、昨年のそんな頃の句、いったい何の声だったのだろうかと、、、。(2015年秋詠)
ボス猫の命短しそぞろ寒
ボス猫になるのは雄だが、人間社会と同じで、ボスになると忙しいようだ。そうでなくても疲れているのに、上に立つものの習性で、つい縄張りを広げたくなるのだろう、今まで渡ったことのない国道を渡ったりして車にはねられたりする。早ければ一ヶ月ほどで交代するボス猫もあるが、掲句の猫は一年ぐらいは君臨していただろうか。いつもこちらをジロリと睨み返して、ゆうゆうと我家の庭を横切っていく猫だったが、ある日車に撥ねられたのだろう、隣家の玄関先で動けなくなっていた。ほっても置けないので面倒を見ていたが、一週間程で亡くなった、、、。(2013年秋詠)